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【セミナーレポート】日本経営診断学会 第208回関西部会

2024.04.15

当社代表の小林が、日本経営診断学会の関西部会にて、「京都老舗企業における生存要因」と題し研究報告を行いました。

本研究は、京都の老舗企業のおける事業継続の資となる特徴を明らかにすることを目的としています。近年起こっている新型コロナウイルスや大規模災害によって、多くの企業が存続の危機に立たされています。100年以上続いてきた老舗と言われる企業は、それにどう対応し現在まで継続し得たのか?特に老舗企業が多い京都を対象に、”レジリエンスと老舗企業”という視点から紐解きました。

100年以上続く企業は、自然災害や戦争、政治体制の変化など、少なくとも3回以上のピンチを乗り越え今に至っています。老舗には、「代々引き継いできたのれんやブランドイメージを守る」(家業継続)という理念が深く根付いています。また、過度な利益追及せず、時代の潮流にマッチした経営革新には積極的であるものの、投資には慎重であり、常に内部留保を優先する傾向にあります。

中でも京都は、限られた地域に多くの老舗が集中し、互いに強い共存関係で繋がっています。そのような地域性からも、利益追求だけではなく、地域における自社の社会的価値や、社会における役割が常に意識されていることが感じられます。
京都には、食品・繊維関連・工芸品の分野における伝統文化を継承する企業が多く存在しますが、長く継続する企業の特徴として、積み上げてきた実績を強み(付加価値)として差別化を図っている点があげられます。

この様な考察から、長年に渡る経営の中で、幾多にも及ぶ危機を乗り越えて現在まで続く老舗のレジリエンスの源泉が垣間見えてきます。今後は、老舗企業の経営者が短期的視点で経営をどう捉えているか、また、京都のように「地域特性」という観点からも、「レジリエンスと老舗」というテーマに注目していきたいと考えています。

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